【原作未読】映画『聲の形』の感想と考察をブログという聲の形で発信
原作未読。
ヒロインの子が聴覚障害持ちということと「賛否両論の凄い漫画があると一時ネットで話題になってたな」程度の前知識しかない状態で映画『聲の形』を観てきた。
一言でまとめると「単なるエンターテイメント作品ではなかった」と色々考えさせられる内容だったので感想と考察をストーリーのネタバレは避けつつ書く。
誤解の無いように先に結論を言っておくと、原作未読の状態でこの映画を観ることができて良かったと思える良い作品だった。
どういう映画なのかといった情報は公式HP見てくださいってことでぶん投げます。
第一の感想「思ってたよりもヘビーだな」
「ちゅ!き!(あぁ~恋をしたのは~)」っていう、特に深夜アニメ観てる人なら幾度となく流れるあのCMのイメージが強かったので、監督も同じだし『たまこラブストーリー』のような甘酸っぱい青春ストーリーだと勝手に思っていた。
でも実際は序盤からイジメなどの心苦しくなる、痛々しく感じるシーンがリアルに描かれていて「あ、そういう感じなのか」と切り替え。
ただ、思ってたのがお花畑の優しい世界だったからヘビーには感じたというだけで、それでも内容の割にマイルドに感じたのは、映像の綺麗さと音楽の良さがあったからだと思う。
CMで使われているシーンの綺麗さが全編通してあるわけだから、この辺りはさすが京アニと感じた。
第二の感想「色々カットしてるのか展開早いな」
鑑賞後に調べて知ったけど原作は全7巻。これを約2時間に収めているわけだからか展開が早く感じた。
ただ、話に着いていけないって程ではない。
よくよく考えてみると、この、展開は早いけど話には着いていけるレベルというのがこの映画の良さの一つだと思う。
多くは語らない。考えるな感じるんだといったところ。
第三の感想「登場人物(特に主人公将也とヒロイン硝子以外)の感情が読めないな」
話が進むにつれて徐々に「あぁこのキャラはそういう感情で動いてたのかな」という"推察"はできるのだけど、はっきりとは描かれずもやもやする。
主人公とヒロインについては心理描写があるのだけど、他の登場人物はほぼ皆無だったのでより一層もやもや。
観てるときは「尺の都合かな」と思っていたけど(それもあるかもしれないけど)、後から思うにここは意図的に他の登場人物の感情を描いていないように思う。
それによって感情が読めない他のキャラよりも、より一層主人公やヒロインに感情移入させられる。
主人公視点での映像が多く映し出されていたのもそのためで、話を観るというよりもどう感じるかに主眼を置いてるなという印象を受けた。
第四の感想「ゆづる単推し」
ならざるを得ない。
第五の感想「TVシリーズでなく、むしろ映画で良かったな」
恐らく原作を読むと気持ちが変わるかもしれないけど、映画として観終わっての感想としてはこれはTVシリーズでやるには中々ハードルが高そうだということ。
良くも悪くも反響が大きそうなので、TV放映では自由に作れなさそうなのが一点。
胸糞展開をじっくりやられると早期離脱者が続出しそうなのが一点。
まぁこの辺は原作未読なので想像でしかないのだけれど。
後もう一つ上げるなら、音圧を感じられる映画館で上映されること。硝子が音を感じるシーンなんかは映画館でこそだと思う。
全体通しての感想「色んな人の感想が見たいな」
観終わって直後「これは賛否両論になるのもわかる。映画もそうなりそうだな」と他の人の感想をサーチしていた。
割と好評価な意見が多く見られたが、公開初日で見に行ってる人であればそりゃあ偏るかぁとも思ったり。
後はまぁ客入り良さそうだったので順調に伸びてほしい。ただ観るのにエネルギー使う作品なのでリピーターがどれだけいるかというところは気になる。
終わりに
冒頭で書いた「単なるエンターテイメント作品ではなかった」という感想は、CMでやってるような淡いだけの感じでもなけりゃ多くを語ってくれない作品作りなども混み混みで思ったこと。
それが良いか悪いかは人それぞれ好みの分かれるところだろう。
なので人に勧めやすい作品かっていうと、、、今やってる『君の名は。』とか、山田尚子監督の前作『たまこラブストーリー』の方が勧めやすい。
ただ、個人的にはこの映画『聲の形』を原作未読の状態で観ることができて良かったと思っている。
未読だから感じられたこともあるだろうし、原作読んで補完できるところもあるだろうし、何ならその後改めて映画観るということもできるし。
原作は映画以上に胸糞展開という感想を見かけたので逆に気になる。身構えた上で読みたい